とある3月第4週のとある大安の前日

<明日の予定>
9時 朝一受領証実行(トカイ銀行)→「東京法務局城北出張所申請」
10時 ジモト地銀 決済→「千葉地方法務局柏支局申請」
11時30分 トカイ銀行 決済 抹消あり → 抹消先 チュウトシ銀行→「千葉地方法務局松戸支局申請」
13時 ジバ不動産 現金決済→「千葉地方法務局柏支局申請」
17時15分 法務局閉庁
<申請予定>
不動産登記×4
商業登記×2(会社設立、役員変更)「千葉地方法務局申請」

午後5時30分

有資格補助者有資格補助者

カタカタカタ


午後6時00分
司法書士司法書士

トカイ銀行行ってきました~。これ、明日の設定書類。


有資格補助者有資格補助者

カタカタカタ、あ、そこ置いといてください、カタカタカタ


司法書士司法書士

(<明日の予定>を見ながら)これさあ、ジモト銀行の決済終わるの早くて11時でしょ?トカイ銀行まで30分しかないんだけど・・・。


有資格補助者有資格補助者

カタカタカタ、ジバ不動産の現金決済までも30分しかないですよ、カタカタカタ


司法書士司法書士

間に合うと思う?


有資格補助者有資格補助者

カタカタカタ、間に合わせて下さいよ、カタカタカタ


司法書士司法書士

ですよね・・・。


午後7時00分
司法書士司法書士

カタカタカタ、明日、10時の決済終わったら抹消書類取ってきてくださいよ。


有資格補助者有資格補助者

カタカタカタ、申請どうします~、カタカタカタ


司法書士司法書士

カタカタカタ、柏支局は紙(申請)で俺いくわ。城北、松戸、千葉本局はオンライン(申請)でしょうな。


午後8時00分
司法書士司法書士

カタカタカタ、書類終わりそう?、カタカタカタ


有資格補助者有資格補助者

カタカタカタ、ムリ!、カタカタカタ


司法書士司法書士

いや、なんとかしようよ(笑)

※ 上記、会話は完全に創作でありフィクションです。司法書士には職業上の守秘義務があります。

東葛法務パートナー事務所代表コメント「繁忙期の司法書士事務所はなぜバタバタしているのか」

 上記の会話ですが、司法書士事務所で働いたことがない限りは意味がわからないと思います(笑)。これは不動産決済業務のおける繁忙期の司法書士事務所内の描写です。トウキヤパートナーズの2人は、明日のために書類を作っています。スケジュールがきつきつな感じがしますよね?なぜ、こういうことが起こっているのでしょうか?これには不動産取引と不動産登記の実務を理解している必要があります。まず不動産取引というものは大安など特定の日に集中しがちです。そして不動産取引をする場合、融資を組んで不動産を購入するケースも多く、売却する不動産にまだ担保が残っているケースも多くあります。

 決済というものをざっくり説明すると、買主、売主、不動産仲介、金融機関担当者、司法書士が同席のもと、①融資を実行して②買主から売主へお金を払って③売主が残っている残債務も完済するということ一気にやってしまう、ことを言います。もちろん現金のみで不動産を購入することもあって、その場合は②買主から売主へお金を払う、で完結します。そして原則、司法書士は所有者の名義変更のためにその日のうちに登記手続きをしなければなりません。なぜかというと、銀行はお金を貸し、買主もそのお金から売主に支払ってしまっていますので、銀行は担保権を、買主は所有者であることをその日のうちに登記してもらわないと困ってしまうからです(法律的には、対抗要件の問題というテーマです)。

 上記の2人は紙やらオンラインが、どうとか言っていますね。これは法務局というものは不動産の場所により管轄が異なる、つまり申請する場所が違うんです。そして法務局は午後5時15分で閉庁してしまいます。その日の閉庁までにどうすれば申請が間に合うか、というの話をしているんですね。不動産取引において司法書士が何をしているか、ということをざっくりと説明すると、前日までに登記申請書類を完成させ、決済当日にお金が動いたことを確認したら、その足で登記関係書類をかき集め(残債務を完済して金融機関へ書類を受け取りにいくなど)、なおかつその日のうち(午後5時15分までに)に(法務局窓口かオンラインにより)申請する、ということをやっているわけです。ものすごくアナログなことをやっています(笑)。

 これ、どうやら現在では知っている人が方少ない印象です。買主さん、売主さんはもちろん、司法書士事務所以外の不動産取引関係者においても、決済当日に司法書士がとてつもなく時間に追われていることを知らない人はいます。少なくとも私は司法書士事務所に勤めるまでは知りませんでした(笑)。今日は、繁忙期の司法書士事務所はなぜバタバタしているの、というお話でした。ちなみに当事務所は繁忙期でも、ここまでではありません・・・。

※ ここでのコメントは法律の厳密な解説ではありません、私が実際の業務でしているように、わかりやすくするため、かみ砕いた記載をしていますことをご了承ください。

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