当事務所が相続手続き全般を扱う遺産承継業務に力を入れようと考えたことには代表者の個人的な理由が大きくあります。それは代表者自身が司法書士として、とある遺産承継業務を受任したことです。(事例は個人情報が判明しないよう大幅に加工しております。)

 ご依頼者様は大変ご高齢で、頼れる方もなく、その相続関係は複雑なだけでなく、お亡くなりになられた方の生前未処理の手続き等もあり、途方に暮れておられました。当職としても全体として大変難易度の高い案件で、各種法律知識、簡裁代理権、各種民間会社へのやり取り等、1年を超える非常に根気が必要な案件になりました。
 
 初めてご依頼者様にお会いし、委任状等に捺印をいただいたときに「これでほっとしました」というようなことをおっしゃられていて、専門家が依頼を受けるということは、こういうことなのか、と感慨深く思ったのを覚えております。

 この経験は専門家がどのように職務を行うべきか、というひとつのヒントになったと感じています。 また高齢化である現在において、どのような業務が社会から必要とされているか、ということを私に示唆してくれたのではないでしょうか。

相続関連業務と各種専門職・民間事業者

 下記の一覧表をご覧ください。下記の表は、相続に関する遺産承継業務のうち、各専門職(国家資格者)のみ行える分野について、民間業者と比較したものになります。一目見てわかることは、総合的な法律専門職である弁護士であればほぼ全ての業務を単独で行えるということと、金融機関を含む民間業者は、ほとんど全ての業務を単独で行うことができない、ということです。

(相続関連業と各専門職・事業者の比較)

弁護士 司法書士 行政書士 税理士 社労士 金融機関等民間事業者
遺産分割協議の代理人 × × × × ×
遺産分割協議書の作成 〇※3 〇※5 × ×
相続放棄等の裁判所への手続き 〇※2 × × × ×
相続登記(不動産の名義変更) ×※4 ×※4 × ×
預貯金投資信託等の解約 △※6 △※6 △※6 △※6
遺族年金等の社会保険手続き × × × ×
自動車の登録変更 × × × ×
税務相談・相続税の申告 〇※1 × × × ×
職務上のための戸籍収集 △※7

 ※1 税理士登録をしていれば可能 ※2 裁判所提出書類作成として可能 ※3 事実文書作成として可能 ※4 本人申請支援であっても登記相談にあたるため疑義あり ※5 税務署へ提出書類として作成することは可能 ※6 法実条の条文規定はない ※7 依頼者様からの戸籍取得用の委任状が必要

相続手続きを依頼するうえでの注意点

 団塊世代の高齢化に伴い相続関連業務は増加傾向にあり、金融機関を含む民間業者が相続関連業務にビジネスとして乗り出してきていますが、実際の業務遂行においては、民間業者はほとんど業務を行っていないという実情があります。インターネット等の広告媒体においても、一括して取り扱うことができるような旨を記載されている場合がありますが、注意深くサイトを調べると各専門職が扱う分野については、外部に委託する旨が記載されているはずです。

 このことが意味することは、国家資格を保持していない者が経営、運営をする法人などの団体に相続関連業務を依頼するということは、窓口手数料に加え、各専門職への委託手数料が発生しているということになります。また、各専門職が扱う分野については、その相談業務(有償か無償かを問わず)においても国家資格者のみと法律上定められているものが多く、単なる相談においても民間業者では行えないということになります。

 相続に関連する業務については、弁護士がほとんど全てを行うことができるわけですが、それでは法律事務所(法律事務所を名乗れるのは、弁護士のみです)に相続関連業務の相談に行けば良いのでしょうか?このことについては、一概にそうとも言えない、というよりも多くの一般の方が必要とする相続に関する手続き業務については、法律事務所ではほとんど扱っていないという実情があります。これは弁護士という職種が幅広い業務を扱える故に各法律事務所はそれぞれの得意分野を専門としていることが多いことと、弁護士が最も活躍し、弁護士にのみ扱うことができる分野が紛争性を持つ案件(相続の分野では、いわゆる遺産分割における争いなど)だからです。

 また日本特有の事情として、各法律事務に関して複数の国家資格者が分担をして業務を行ってきたという実情があります。例えば、税務については税理士、不動産・会社の登記手続きについては司法書士、社会保険については社労士というような具合です。このような事情から多岐に渡る相続関連業務を遂行するためには、各国家資格者がそれぞれの得意分野を担当する必要があるということです。注意すべき点は、法律上できるできない、ということのみではなく、実際に業務として日々扱っている分野が得意分野になります。

相続手続きを依頼するうえでの注意点
  • 国家資格者保有者が運営していない事業者は、手数料が割高になる。
  • 法律のスペシャリストである弁護士の得意分野は紛争性を含む案件。
  • 各国家資格者の得意分野は、法律上の業務範囲のみならず、実際に日々の業務として取り扱っている分野。

相続手続きの窓口として

 東葛法務パートナー司法書士行政書士事務所(以下、東葛法務パートナー)は相続承継の分野を専門とし運営しております。東葛法務パートナーがご依頼者の皆様に相続に関し最適な解決をご提案できる理由は、当事務所の代表が保有する司法書士と行政書士という2つの国家資格にあります。

司法書士と行政書士と弁護士

 日本に複数の法律関連職に関する国家資格が存在しますが、これは当職が日々の業務でも実感をするところではありますが、司法書士と行政書士、加えて弁護士、この3つの国家資格を正確にご理解している方は多くはないのではないでしょうか?結果、ご依頼者の方が適切に専門家を選択できない、さらには法律上の権限を逸脱した相談を各専門家へしてしまいトラブルになっているケースが散見されます。ここでは、法律系国家資格の中でも、特に区別の難しい司法書士、行政書士、弁護士の3つの国家資格についてご説明します。

 下記が弁護士・司法書士・行政書士の職務や使命に関する条文になります。ここでは条文の解説が目的ではありませんので、それぞれの業務範囲の概要がわかる程度に条文を省略、抜粋していることをご了承下さい。

弁護士・司法書士・行政書士の職務に関する条文(一部省略)
(弁護士の使命)
第一条 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。

(弁護士の職務)

第三条 弁護士は、当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱によつて、訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件に関する行為その他一般の法律事務を行うことを職務とする。
 弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる。
(司法書士の使命)
第一条 司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。 (業務) 第三条 司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。  登記又は供託に関する手続について代理すること。 四 裁判所若しくは検察庁に提出する書類又は筆界特定の手続において法務局若しくは地方法務局に提出し若しくは提供する書類若しくは電磁的記録を作成すること。 六 簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。ただし、上訴の提起、再審及び強制執行に関する事項については、代理することができない。 (目的) 第一条 この法律は、行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もつて国民の権利利益の実現に資することを目的とする。 (業務) 第一条の二 行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。  行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない
 法律の条文は厳密の読み解くことが難解ですので、赤のラインマーカーが引かれている中心に簡単に説明します。まず弁護士は「その他一般の法律事務を行うことを職務」と規定されていますので、当然に全ての法律事務を行うことができます。
 
 次に司法書士ですが「その業務とする登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家」と規定されていますが、登記、供託、訴訟を扱う国家機関は法務局と裁判所にあたります。これはいわゆる司法と呼ばれる分野で主に個人の権利などを司る分野です。これが司法書士の名称の由来です。
 最後に行政書士ですが、「行政に関する手続の円滑な実施に寄与する」と「官公署に提出する書類」と規定されていて、さらに「その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことはできない」と規定されています。これにより官公署(司法書士法など他の法律で制限されている分野を除き))へ提出する書類を作成し、行政への手続きを支援することを業務とするということなります。
(弁護士・司法書士。行政書士の職務範囲)
業務範囲 具体例
弁護士 全ての法律事務 全ての法律事務及び代理
司法書士 司法分野(法務局や裁判所)に関する法律事務 不動産・会社の登記手続き代理、裁判所等への提出書類作成、簡易裁判所に関する訴訟代理など
行政書士 行政分野(市区町村、県庁などの官公署)に関する事務 自動車の登録変更(陸運局)、農地法関係(農業委員会)、許認可(入国管理局)など
※ 説明をわかりやすくするため、法律用語の厳密な使用はしておりませんので、ご了承下さい。
 まとめると下記にように表現することができます。
弁護士・司法書士・行政書士とは
  • 弁護士 = あらゆる法律事務を代理人(依頼者に代わり)として行うことができる。
  • 司法書士 = 司法分野(主に個人の権利関係など)に関する法律事務を行うことができる。
  • 行政書士 = 行政分野(主に許認可と呼ばれる分野)に関する事務を行うことができる。

 数年に一度大きな事件が起きたりすると、各専門職(いわゆる士業)の業務範囲であるか、業務範囲外であるかなどの話題が取り上げられことがありますが、未然にトラブルを防ぐためにも専門職へご依頼を検討される場合は、大体でよいのでイメージされてからご相談されるのが良いのではないでしょうか。

各専門職が実際に取り扱っている業務

 弁護士・司法書士・行政書士という一般には区別の難しい3つの国家資格についてご説明しました。では、代表者が司法書士と行政書士の資格を保有する東葛法務パートナー事務所が最適な相続手続きの窓口と言えるのは、なぜでしょうか?その理由の1つ目は、相続関連業務の中には常に発生する業務とケースによって発生する業務があることが挙げられます。下記の表は、前記の(相続関連業と各専門職・事業者の比較)の表を業務が発生する頻度により並べ替え、各専門職の業務範囲を比較したものになります。 (相続関連業務と各専門職が実際に取り扱っている業務の比較)

司法書士 + 行政書士 税理士 弁護士 社労士 社労士 金融機関等民間事業者
職務上のための戸籍収集 × ×
相続登記(不動産の名義変更) × × × ×
相続放棄等の裁判所への手続き × × × ×
預貯金投資信託等の解約 × ×
自動車の登録変更 × × × △※5
農地法に関する手続き × × × ×
税務相談・相続税の申告 × × × ×
紛争性を含む遺産分割協議の代理人 × × × × ×
遺族年金等の社会保険手続き × × △※6

※ 〇=法律上の権限がある業務 ※ ◎=法律上の権限があり、日々業務で取り扱っている業務 ※ △=法律上の権限が不透明、または権限はあるが日々の業務では取り扱っていない分野 上記の表の上段部分は相続関連業務において、頻度が多いものになります。下段部分は必ずしも発生する業務ではありません。例えば、相続税の申告は必ず発生するわけではありません。

 理由の2つ目は法律上の権限により業務が行えることと、実際に日常的に業務を行っているかは、別であるという点にあります。例えば司法書士であれば、相続登記(不動産の名義変更)の手続きをするために日常的に法務局を利用していたり、行政書士であれば自動車の登録変更のために陸運局、農地に関する手続きのために農業員会などで頻繁に見かけますが、全ての法律事務を扱えるといえど弁護士の先生をこれらの各役所で見かけることはないのではないでしょうか?少なくとも日常的に登記手続きや自動車の登録変更を行っている弁護士の先生を当職は見たことがありません。

各専門職と取り扱い業務における注意点
  • 相続に関し最も多い事例である相続登記(不動産の名義変更)を専門的に取り扱っているのは司法書士です。
  • 相続登記を行うための裁判所に関する手続き(相続放棄や特別代理人の選任など)を日々取り扱っているのは司法書士です。
  • 不動産以外の名義変更や諸手続き(自動車の登録変更や農地に関する手続き)を取り扱っているのは行政書士です。
  • 全ての相続において相続税の申告が必要なわけではありません。相続税の申告は税理士が専門です。
  • 遺産分割協議がまとまらないなど紛争性を含む案件では弁護士の出番です。
  • 相続に関して社労士の専門知識が必要になる場合は遺族年金等一部になります。
  • 相続に関して法律上の権限と実際に日々の業務として取り扱っている専門職へご相談下さい。

相続の相談を東葛法務パートナーにする理由

 3つ目の理由は、東葛法務パートナーは下記のような体制を構築しています。  前述したように相続関連業務は、各専門職がそれぞれの得意分野を担当する必要があります。東葛法務パートナーでは、相続手続きの窓口として相続関連業務のそのほとんどを処理することができるだけでなく、ご相談時のヒアリングにより当事務所では処理することができない案件についても適切な専門家をご案内することができます。

相続の相談を東葛法務パートナー事務所にする理由
  • 相続発生により必ず発生する手続きと頻繁に発生する手続きを受任することができます。
  • 上記の業務は司法書士と行政書士の得意分野になります。
  • 上記の業務範囲外に対応できる体制を構築しています。
東葛法務パートナー事務所にご相談していただければ

一般的な相続事例であれば、ほとんど全てを解決できるだけでなく、ご依頼者様の抱える複雑な問題点をクリアにし最適な専門家をご案内することが可能です。

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